倍賞千恵子・歌
かえらぬひと
夢二,その抒情
昭和52年6月21日(1977年)発売 SKA182 \2,300
▲第1面▲ |
▲第2面▲ |
1.草の夢 |
1.傷める紅薔薇 |
竹久夢二作詞,桜メイ作曲 |
竹久夢二作詞,竹久普士作曲 |
2.ふるさと |
2.柿 |
竹久夢二作詞,弘田龍太郎作曲 |
竹久夢二作詞,桜メイ作曲 |
3.たそがれ |
3.宵待草 |
竹久夢二作詞,竹久普士作曲 |
竹久夢二作詞,多忠亮作曲 |
4.越後獅子 |
4.わすれな草 |
竹久夢二作詞,竹久普士作曲 |
竹久夢二作詞,佐藤勝作曲 |
5.母 |
5.花をたづねて |
竹久夢二作詞,小松耕輔作曲 |
竹久夢二作詞,山本芳樹作曲 |
6.清怨 |
6.雪よ小雪よ |
竹久夢二作詞,桜メイ作曲 |
竹久夢二作詞,佐藤勝作曲 |
このLPは、大正から昭和初期の竹久夢二の詩歌に曲をつけた12編を倍賞さんが歌うという企画アルバム。私は夢二といってもそれこそ「宵待草」くらいしか知らなかったのですが、多数の詩歌、美人画は大正ロマンとして、今なお多くのファンがいるということです。ここでは、夢二会によるLPの解説の一部を紹介しておきます。
夢二の詩とその作曲 夢二会(1977年)
夢二は歌謡曲の作詞者ではなかった。唱歌のための童謡作詞者でもなかった。曲に合わせて、或いは作曲を予想して詞をつくる人ではなかった。有名な「宵待草」にしても、作られた明治45年6月『少女』という雑誌に載ったまま、やがて夢二の最初の詩集『どんたく』に3行詩形の今の形で収められた後も、愛踊されることなく数年経過した。愛読者の一人であった多忠亮によって、大正7年に作曲されセノオ楽譜で発行されるや、たちまち全国にひろまり、今度は、絵かき夢二とは離れて作詞者の名は無視される程、歌自身が、大衆のものとなった。ようやく10年ほど前、夢二の復権だ。夢二絵のリバイバルだと言われだした頃はまだ、「あの宵待草が夢二だったのか」などと、あらためて結びつけられた位のものだった。ブームという言葉は嫌いだけれど、展覧会の頻度も多くなり、映画や、芝居の題名にも、詩画集の書名にも「宵待草」が使われだして、それらの謳い文句に、必ず、詩人・画家と言われ、その上に、「放浪の」とか「恋の」とかつけられるのが鼻につく。
私が倍賞さんを敬愛するが如く、夢二の信仰者も多いのだと痛感しました。
(このアルバムのCD版を2005年1月に竹久夢二オンラインで買いました。500枚限定ということですので貴重かも)